ビタミンB1食品

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ビタミンB1を含む食品 って何があるの?栄養士が ビタミンB1を含む食品 のオススメ摂取方法を伝授します!

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執筆:さくらかわ さくね(栄養士)
 
 
現在、ビタミンB群は8種類に分けられていますが、そのうちの一つであるビタミンB1は、糖質の代謝に必要なビタミンです。
ビタミンB1が不足すると、脳もエネルギー不足に陥ることで疲労感が生じ、重症になると脚気になることもあります。
ここでは、 ビタミンB1を含む食品 について詳しく説明します。
 
 

ビタミンB1の働きとは?

 
ビタミンC入りのジュース」ならすぐに思い浮かびますが、ビタミンB1を強調したジュースはちょっと思い浮かびませんね。
身近とは言い難いビタミンB1ですが、その働きとはどのようなものでしょうか。
 
以下、主要な2つの働きについて説明します。
 
 

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ビタミンB1の働き エネルギー生産の鍵

ビタミンB1は、人間がエネルギーを作っていく過程の様々な所で補酵素として活躍しており、特に糖質を代謝していく上で非常に重要な役割を果たしています。
白米やパンなど糖質の多い食生活を送る日本人にとっては大切なビタミンの1つです。
 
 

ビタミンB1の働き 脳の活動や神経機能の維持

人間にとって最も重要な臓器の一つである脳は糖をエネルギー源としています。脳が糖をエネルギーに変えて機能していくためにも、ビタミンB1が必要です。
脳が十分にエネルギーを得て活動する事によって神経機能も良好に維持されます。
 
 

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ビタミンB1の不足で起こること

ビタミンB1の摂取不足で起こる代表的な疾患としてあげられるのが「脚気(かっけ)」です。
初期症状は疲労感、食欲低下などがみられ、症状が進むにつれ下肢のしびれ、むくみなど、更に重症化すると歩行困難、心機能の低下を起こします。
以前は、場合によっては死亡する可能性がある怖い病気でした。
江戸時代後期には「江戸わずらい」と呼ばれ、明治時代には日本の国民病とされていました。なぜ脚気が国民病と言われるまでに多かったのでしょうか?
 
 

庶民の憧れ、白米の落とし穴?

ビタミンB1はお米の胚芽の部分に多く含まれています。
玄米ならばそれを捨てる事なく摂取できますが、白米は精白の過程で胚芽部分を「ぬか」として削り落としてしまいます。
お米が貴重であり、玄米食が国民の主流であった頃はビタミンB1を自然に摂取できていました。
 
しかし、米の生産力が上がり精白米が庶民に普及し始めた事によってビタミンB1が不足するようになり、国民の多くが脚気を患う事態になったようです。それまで脚気は貴族や武士など高級品である白米を主食にできる上流階級の人間に多い病気でした。
 
注意していただきたいのは、白米が体に悪いということではありません。
主食である白米で空腹を満たし、副食である肉・魚・野菜などをバランスよく摂取できていなかった食習慣に問題があったと思われます。
 
 

摂らない事のデメリット。現代日本でも注意が必要?

「脚気なんて昔の話だし。」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、白米に偏ってはいないものの、インスタントラーメンや甘いジュース、お菓子などで糖質摂取量が多めであるのに、肉・魚・野菜をあまり食べていない…などということはありませんか?
 
 

脚気予備軍にならないために

食生活事情が改善した現代日本では重症の脚気の心配は少ないと思われます。
 
しかしビタミンB1不足によりエネルギーを産生する過程が上手くいかなければ結果として疲労物質である「乳酸」が蓄積してしまい疲労感の原因ともなっていきます。
 
乱れた食習慣を続けることによって健康を害す可能性は低くはないのです。
明治時代の「遠いお話」と思わずに主食と副食のバランスを見直してみて下さい。
 
 

ビタミンB1不足で起こるその他の症状

 
脚気以外にもビタミンB1不足が原因で起こる症状をご紹介します。
 
<ウェルニッケ脳症>
ビタミンB1不足が末梢神経や筋肉に障害をきたしたものが脚気ですが、ウェルニッケ脳症は神経系に障害をきたす病気です。
 
目玉が一点を見つめたまま動かなくなる(眼球運動麻痺)、歩行がおぼつかない(歩行異常)、場所や時間、人物などがわからなくなる(記憶障害)などが特徴的な症状として起こります。
 
理解力や計算などの能力は比較的保たれますが、記憶力が著しく低下してしまうため、アルツハイマー症や認知症と似た症状となります。
 
アルコールの飲みすぎやインスタント食品の偏食による栄養の偏り、妊娠悪阻、悪性腫瘍、重傷感染症などによってビタミンB1が不足することが発症原因となります。
 
また、ウェルニッケ脳症の後遺症であるコルサコフ症候群が患者の約8割残ると言われており、これにより記憶力の顕著な低下も起こります。
 
<疲れやすさ、倦怠感>
ビタミンB1不足によってエネルギー代謝が滞った結果、疲労感がでてくることがあります。
 
また疲労物質である乳酸の代謝をするのはミトコンドリアになりますが、ビタミンB1が不足すると代謝経路がうまく働かなくなり、乳酸アシドーシスという、乳酸が蓄積して血液の酸性度が高くなり過ぎた状態となり疲労感や倦怠感が残ってしまう原因となります。
 
運動を行った後、強い疲労を感じる場合、なかなか疲れが取れないという場合はビタミンB1が不足している可能性があります。
 
<肥満>
肥満は糖質の蓄積によってもたらされますが、ビタミンB1は糖質をカロリーへと変換する際に重要な働きを担います。
糖質がカロリーへと変換される際には、酵素という、吸収・輸送・代謝・排泄に関与する栄養素が必要となりますが、ビタミンB1は、この酵素の働きを助ける補酵素としての働きを持っています。そのため、ビタミンB1が足りていなければ、酵素も十分に働くことができず、肥満につながってしまいます。
 
<集中力低下、精神不安イライラ
脳はもっともエネルギーを必要とする器官であり、ビタミンB1は脳の中枢神経にも作用し、エネルギーを供給する役割を持っています。
脳へのエネルギー供給が滞ると、集中力が低下する、イライラが募るといった症状が現れ、ストレスを感じる要因となります。
 
以上がビタミンB1不足によって起こる症状になりますが、これらの症状が出ている場合はビタミンB1が不足している証拠であるともいえますので、思い当たる症状がある場合は、ビタミンB1を含む食品を意識して摂取するようにしましょう。
 
また、ビタミンB 1は水溶性ビタミンなので過剰に摂取した場合は体内に排出されます。
また過剰症の報告も特にはありませんので、大量に摂取した場合でも、摂りすぎの心配はありません。

 
 

「 ビタミンB1 」 理想の摂取量

厚生労働省は、30~49歳の女性を対象にビタミンB1を1日当たり1.1mgの量を摂るように推奨しています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版)。
 
しかし、30~49歳女性の平均摂取量は0.72~0.7mg(厚生労働省「国民健康・栄養調査」 平成26年)でやや不足している方が多そうです。
 
 

ビタミンB1は、ビタミンの中で水溶性に当たり、「チアミン」ともよばれます。

熱に弱く、水に溶けだしやすいため調理の際に損失が大きいビタミンです。
 
食品を水洗いする際はずっとつけ置きするのは避けて、料理は汁ごといただくようにしましょう。
 
サプリメントなどで一度に大量摂取したとしても、余分は尿などから体外へ排泄されてしまいます。
こまめに毎日取り入れる事を心がけて下さい。
 
 

ビタミンB1を摂取する事のメリット

このビタミンは特に糖質からエネルギーを生み出すために非常に重要なビタミンであることを述べてきました。
 
甘いものをついつい食べてしまいがちな女性は、ビタミンB1を積極的にとっていく事で糖質がスムーズにエネルギーに変換されやすくなります。
 
また、アルコールを分解する過程でビタミンB1が大幅に減少します。
そこでお酒を飲まれる方は、おつまみにビタミンB1が多い食材を選ぶ事をおすすめします。
ビタミンB1が、二日酔いや疲労感を緩和する手助けをしてくれるのです。
 
 

ビタミンB1を含む食品

では、食品の中でビタミンB1が多く含まれるものは何でしょうか?
 
脚気の項目でもご紹介した玄米の他に豚肉、ウナギのかば焼き、グリンピース、大豆などがあります。
穀類の胚芽部分に多く含まれている傾向がありますのでお米なら精白度が低い玄米や胚芽米、小麦製品なら全粒粉が使用されているパンやパスタなどを選ぶと多く摂取することができます。
 
上記の食品に比較的多く含まれていますが、肉・魚・野菜などに広く少しずつ含まれているので様々な種類の食品をバランスよく毎日食べる事が大切です。例えば、ランチで豚肉をメインにしたら、夕食は「大豆」の煮豆にするなど。
 
主な食品の具体的なビタミンB1含有量は表の通りです。(※100gあたりの含有量を示しています。)
 

食品名 ビタミンB1含有量(mg/100g)
豚肉 ヒレ 生 1.32
大豆 乾燥 0.88
うなぎ かば焼き 0.75
焼きのり 0.69
煎りゴマ 0.49
玄米ご飯 0.16

 
 

ビタミンB1のオススメの摂取方法

ビタミンB1は、ニラやニンニク、玉ねぎに含まれる「アリシン」と合体して「アリチアミン」となると吸収効率がアップします。
 
 

疲労回復の組み合わせ

「豚ニラ炒め」というとガッチリした体育大学生が食べているようなイメージが思い浮かぶかと思いますが、ビタミンB1が多く含まれる豚肉とアリシンを含むニラを同時に摂取できるので、エネルギー消費が激しい人が食すのに理にかなった組み合わせなのです。
もちろんアスリートばかりではなく、エネルギーを円滑に消費していきたい女性も見習いたい組み合わせですね。
 
 

健康に良いのは分かるけど…玄米は苦手

玄米の独特の香りや味が苦手という方も多いと思います。そういう方は、まずは雑穀米や押し麦などで試してみるか、または、白米ご飯に「のり」や「ゴマ」をふりかけてB1をプラスするなどが良いでしょう。
 
しかし、主食として毎日、一定量を摂取できるというメリットは捨て難いものがあります。
スーパーで様々な種類が売られていますのでお好みの味の商品が見つかるかも知れません。
使い方も簡単で、1パックを白米に混ぜて炊くだけですので、忙しく働く女性にはオススメです。
 
 

ビタミンB1を含む食品 まとめ

今回は、「糖質代謝には欠かせない栄養素ビタミンB1」をご紹介してきました。
糖質を積極的に代謝していきたい!疲労をためたくない!という女性にはとてもうれしいビタミンですね。糖質が十分にエネルギーになって行かなければ結果として体内に脂肪という形でため込むことになってしまうかも…!?
 
平均摂取量をみると十分に摂れていない方も多そうです。今までビタミンB1って身近じゃなかったという方もぜひ意識して摂取してみて下さいね。他の栄養素にも言えることですが、一つの食品で摂ろうと考えずに組み合わせるのがポイントです。
 
 

ビタミンB1以外のビタミンB群

現在、ビタミンB群は、ビタミンB1を含め8種類に分けられています。そして、ビタミンB1以外のビタミンB群の7種類についてもそれぞれ含まれている食品が異なります。
 
ビタミンにはざまざまな種類があり、その効果も異なります。また、栄養素の摂取の為には、食事の摂取方法についても留意すべきです。
 
 

<参考資料>
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」
・文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
・厚生労働省 「国民健康・栄養調査(平成26年)」
・「心療内科に行く前に食事を変えなさい」 姫野友美 青春出版社
 
 
<執筆者プロフィール>
さくらかわ さくね
栄養士。老人ホーム勤務を経て、配食サービスで献立作成などを経験。二児の母。ライフスタイルにあわせた『じぶん栄養スタイル』の提案をモットーに執筆活動
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